尊厳なき経済を立て直す日本の勝負 vol.02

尊厳なき経済を立て直す日本の勝負 vol.02
物質文明の限界

現代の経済事情について、より深くみていきたいと思います。

経済の目的だけで話せば、現代の経済活動は志を失い、お金を引っ張ることが目的となってしまっています。

ビジネス活動である限り、利潤を求めることは当然のことです。
しかし、若者が働くことに憧れを持てなくなっていること、うつや自殺が日常的に起きてしまっていることに、どうしても働くことが誇れるものではなくなってしまってきている実情に問題意識を感じます。

農業社会から産業社会に移り、製造業を中心に発展してきた現代産業プレートですが、IT経済から金融経済の側面も広がり、現代では経済成長率を資本収益率が上回る、お金がお金を生み出す社会になっています。

頑張って育ててきた会社も簡単に買収される弱肉強食の社会は、お金さえあれば事を有利に進められるのですが、なければ意思決定権を持つことができないWin-Loseが明確な格差社会です。

All-Winができない理由は明確で、誰もが生産手段を持てる時代ではなくなっていること。
大量生産・大量消費の時代が終わり、新しい成長エンジンを見失った社会。

物が溢れ、機能・性能・効能・デザインバリエーションが飽和した現代では、消費者が物商品に価値を見出せなくなっています。
新しい物商品が出ても目の肥えた消費者はなかなか感動しない。
ありふれた刺激では満足できない。
刺激を求める心はどんどんエスカレートし、スリルやホラーなどやりすぎとも思われるサービスの扇動を煽っています。

生産者は、アイデアが枯渇し、革新商品を出せずに日々苦しんでいます。
すぐに旬が過ぎてしまう期限付きの商品・サービス・技術・知識しか生み出せず、自らが手がける商品に誇りを持てない生産者も多々います。

このように物質文明の産業はレッドオーシャン化し生存競争も厳しくなっています。
また、情報が全世界でつながっている現代は、新商品もすぐにコモディティ化し、長く安定して売れ続ける形をつくることは困難です。

新しいニーズ・新しい流れをつくることは難しく、経済の循環が完全に滞っているのが現代です。
中小企業は、日本全体の企業数の99.7%を占める割合となっていますが、そのうち約7割が赤字経営を続けています。

多くの企業が生産力向上どころか存続維持の危機であり、働く社会人の活気・活力も日に日にすり減らされているのが、今の日本社会です。

次回に続きます。

美談年民

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